- 臨床試験 基本
- 臨床試験への参加
- 子どもを対象とした臨床試験
- 用語集
- 関連リンク
介入試験 (または 治療試験と呼ばれます)とは、新しい開発中の治療(薬剤や医療手順)、治療の組み合わせ、手術法、放射線治療などの効果を調べる試験です。
予防臨床試験 とは、病気の発症や再発を防ぐ方法を調べる試験です。お薬、ワクチン、生活習慣の変更などが用いられます。
診断臨床試験 とは、病気をより正確に診断する新しい手順や検査について調べる試験です。
スクリーニング臨床試験 とは、病気を早期に発見するための方法を調べる試験です。
生活の質臨床試験 (または 支持療法臨床試験)では、慢性疾患のある人々が、より快適に生活し、生活の質を高める方法を探ります。
臨床試験の計画のことを「治験実施計画書」と言います。すべての臨床試験で治験実施計画書が策定されています。参加者の健康を守りながら、特定の研究目的を達成できるよう、治験実施計画書は慎重に策定されます。治験実施計画書には以下の内容が盛り込まれます。
- 参加の基準
- 予定被験者数
- 研究の偏り(バイアス)を最小限にする試験の手法
- 検査、手順、薬の投与などの実施スケジュール
- 治験薬の投与方法
- 臨床試験の期間
臨床試験にご参加いただいた方には、試験参加中の定期的なご来院や、健康状態のモニタリングおよび治療の安全性と有効性の確認等ご協力をいただきます。
臨床試験はさまざまな組織や個人によって依頼(出資)されています。製薬企業だけでなく、医師、医療機関、基金、患者団体などが治験依頼者となる場合もあります。また、米国国立衛生研究所(NIH)や退役軍人省(VA)、カナダの保健研究機関(CIHR)などの政府機関などが費用を負担することもあります。臨床試験は大学、病院、医療センター、クリニックおよび地域診療所などで実施されます。
参加者の安全が守られ、試験が適正な方法で行われるよう、臨床試験には多くの専門家が協力しています。治験責任医師(PI)が臨床試験のリーダーを務め、医師、看護師などの医療従事者に指示を出し、治験コーディネーター(CRC)が日々の活動を管理します。多くの場合、主に治験コーディネーター(CRC)が治験参加者と連絡を取ります。
臨床試験の主な実施場所:
- 医院・診療所
- 病院・医療センター
- 大学
- 地域のクリニック
臨床試験によっては、研究内容ごとに別の施設を利用することもあります。また、医療機関に出向かずに、参加者の自宅で一部の内容を実施できる臨床試験もあります。現在、多くの臨床試験が来院と自宅での実施の両方を取り入れています。そのような臨床試験では、対面での参加が求められる来院以外は、遠隔で参加することができます。
インフォームドコンセントは、臨床試験に参加する前に、臨床試験について詳しい説明を受け、理解を深め、患者さんご自身の自由意志で治験の参加を決めていただく、治験の実施においてとても重要なプロセスです。治験スタッフが、臨床試験の目的、期間および利益や不利益等について説明します。また、試験期間中の実施内容や個人情報の保護についても説明します。不明な点があれば、治験スタッフにいつでも質問することができます。臨床試験の詳細を記載した同意書に署名いただく必要があります。同意書に署名した後であっても、理由を問わず、いつでも臨床試験への参加を中止することができます。
臨床試験における無作為化とは、参加者を異なる治療グループに割り当てる方法です。多くの場合、各参加者がどの治療を受けるか、あるいはどの順番で治療を受けるかが、コンピュータを用いてランダムに割り当てられます。コンピュータプログラムにより、各治療群のバランスが取れるような仕組みになっています。つまり、治療群は、性別、平均年齢、疾患の重症度等の治験の結果に影響しうる要因を考慮して、同様になるように設定されます。参加者は無作為に集団に割り当てられるため、バイアスの発生を防ぐことができます。バイアスとは、臨床試験の結果が、人による選択または試験中の治療とは関係のないそのほかの要因の影響を受けてしまうことです。たとえば、医師がどの患者さんをどの集団に割り当てるかを選ぶことができた場合、意図がなくても体調の悪い患者さんを治療群に、比較的健康な患者さんを対照群に割り当ててしまうかもしれません。そうなると、臨床試験の結果に影響を及ぼす恐れがあります。無作為化(ランダム化)を行うことで、このバイアスを防ぐことが可能になります。
プラセボとは、治験薬に外観が似ているものの、有効成分を含んでいない偽薬のことを言います。これまでに、「プラセボ効果(偽薬効果)」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。これは、治験薬がプラセボであったとしても、「治療を受けているから元気になった」と感じたり、実際に症状が改善することがある現象のことです。自分が治療を受けていると信じることでそのように感じる現象なのです。一般的に臨床試験でプラセボを使用する場合、治験参加者は誰がプラセボ投与を受けているのか知ることができません。このような臨床試験を「単盲検試験」と呼びます。一方で、参加者も臨床試験スタッフもそれを知らない場合もあります。このような臨床試験を、「二重盲検試験」と呼びます。プラセボを用いることで、臨床試験中に起こる効果や副作用が、開発中の治療法によるものかどうかを、より検証しやすくなります。ただし、既に承認されたお薬がある疾患や健康状態の場合、治験薬とプラセボのみとの比較では十分でないこともあります。
がんの臨床試験でプラセボが使われるのは、特定のがんに利用できる治療が存在しない場合に限られ、治験薬とプラセボを比較するためにだけ使用されます。ただし、がんの臨床試験でプラセボが使われることはまれで、多くの場合は「標準治療」と呼ばれる最も有効とされる治療が提供されます。
副作用とは、薬を服用したり治療を受けたりした際に、望んでいない反応や症状が起こることを指します。有害事象とは、臨床試験において参加者に望ましくない反応や症状が起こることを指します。有害事象には、意図しない健康状態の変化や体調の悪化、異常な検査所見など、あらゆる徴候や症状が含まれます。有害事象の原因が開発中の治療法である場合もありますが、まったく別の原因で有害事象が生じていることもあります。開発中の治療法との因果関係を検証するため、たとえ臨床試験の治療と関係がない可能性がある場合でも、治験スタッフは臨床試験で起こるすべての有害事象を記録します。試験中に体調の変化や新たな症状が出た場合は、必ず治験スタッフにお知らせください。
人を対象とした臨床試験を始める前に、開発中の治療は、研究室で細胞や動物を対象に調査されます。これらの研究は、非臨床試験と呼ばれます。臨床試験を実施するために十分な情報が揃った段階で、それまでに得られたデータや知見をまとめ、臨床試験の実施計画を立案します。そして、臨床試験を行う前に、規制当局および独立倫理委員会に届出を行います。
「健康ボランティア」または「臨床研究ボランティア」とは、既知の重大な健康上の問題がないにもかかわらず、新しい薬、医療機器、または介入を研究するために研究に参加する人のことです。治験薬が健康な人の体にどのように作用するかについての情報は、治験依頼者にとって重要なデータとなります。
また、健康ボランティアの方々と、特定の疾患を持った方々を比較する試験もあります。健康ボランティアの方を対象とした研究は、新しい知識を得ることを目的としており、必ずしも臨床試験に参加している人自身を直接助けることを目的としているわけではありません。


